2011/09/06

第2回演劇公演『蘇芳』

蘇芳 -すおう-

ART COMPLEX 1928 協力公演



日時
2011年9月2日(金)19:00
   9月3日(土)14:00/19:00★
   9月4日(日)13:00
※開場は開演の30分前、受付は開演の1時間前です。
★3日19:00回後、アフタートーク有
ゲスト:松田正隆(マレビトの会)


会場
ART COMPLEX 1928


チケット
(日時指定・全席自由)
前売り・予約 2000円
当日  2500円


出演

内田和成 Uchida Kazushige
香川県生まれ。大学時代から演劇をはじめる。2007年飯田茂実氏と出会い、京都のダンス・コミュニティe-danceの旗揚げに参加。『元気の本』『春の祭典』等の作品に出演し、ダンスの面白さ、身体の不思議に目覚める。役者としても烏丸ストロークロック『漂泊の家~六川の兄弟~』『八月、鳩は帰るか』に出演。近年、身体へのより深い関わりを求め、キネシオロジーを学ぶべく東京へ移住。
さまざまな人との出会いを通して研鑽をつむ。


片岡結衣 Kataoka Yui新潟県出身。京都市立芸術大学音楽学部声楽専攻卒。ダンサーとして、真木ひろみダンス作品『わたしなりに』『REINCARNATION』、e-dance『春ノ祭典』、守山野外美術展、ダンスの時間に参加。ミュージカル『オリバー!』ドジャー役、『アイーダ』タイトルロール、『ウエスト・サイド・ストーリー』アニタ役などで出演。オペラでは、『ドン・ジョヴァンニ』ヅェルリーナ役、井上道義氏指揮・演出の『イリス』、橋爪万里子氏主演『カルメン』等にアンサンブルで出演。その他、演劇、コンサート、クラシックライブにも参加。


今村達紀 Imamura Tatsunori愛媛県松山市生まれ。大学愛媛県松山市生まれ。大学で地質学(堆積学)を学ぶ傍ら演劇をはじめ、その延長線上にダンスをはじめる。東アジアからヨーロッパ、教会から古民家、路上から劇場まで、神出鬼没。
今年は、DANCE×MUSIC×MOVIE !『ASYL』(演出:飯名尚人)『ハシ×ワタシ』(演出:山口惠子)などに出演予定。


音楽

中田 麦 Nakata Baku
京都市立音楽高校を経て、京都市立芸術大学音楽学部入学。
打楽器・マリンバを大西由利子、種谷睦子、伊藤朱美子、宅間斉、山本毅の各氏に師事。
第9回KOBE国際学生音楽コンクール打楽器部門において最優秀賞、兵庫県知事賞受賞。第18回京都芸術祭において京都市長賞受賞。第14回日独青少年交流コンサート訪独メンバーに選出され、ドイツ各地で演奏。現代音楽演奏コンクール「競楽Ⅸ」入選。
クラシックのほか、新作初演など現代作品の演奏も積極的に行っている。


吉田一明 Yoshida Kazuaki
1987年宮城生まれ岩手育ち。京都市内で活動するドラマー。現在、ギタリスト原卓也率いるバンドに参加しジャズの4ビートによる表現を追求。月に1・2回、祇園などでライブを行っている。
在学中ドラムは西代一博氏に師事。舞台関係ではe-dance『BraDan★BraVo』でドラマーとして参加。生業は塾講師。


構成・演出

苧環凉 Odamaki Ryo
大阪生まれ。京都市立芸術大学彫刻専攻卒業。
大学入学と同時にGEKIDAN HLMに入団。『Ophelia』『トラゴイディア』などの作品で役者として活動。その後自らプロジェクトを起し、作・演出に移行。生演奏とダンスによる『あめつちの歌』、町屋の空間を使った朗読劇『イザナミ』などを精力的に発表する。'08飯田茂実氏と出会いe-danceの旗揚げにパフォーマーとして参加。ダンスや音楽の活動を経てO land Theaterを立ち上げ、演出活動を再開する。


原作

廣瀬泰子 Hirose Yasuko
神戸に生まれる。東京にて鞄のデザインを学び、山形の鞄工房でデザイン・企画を担当。その環境の中で日本の伝統工芸に数多く触れ、京都に移住を決める。舞台衣装染めの仕事を経て、現在は織子として西陣にて錦を織る。


スタッフ
舞台監督・美術:乃村健一(n.o.m)
照明:塩見結莉耶(GEKKEN staffroom)
衣装:秋山はるか
宣伝美術:荒木康代
チラシ原画:松江英利<命の標準時>
映像記録:松浦莞二(スタジオkk)
制作:望月 奏 坂本美夕
制作補佐:二宮晴香
協力:ART COMPLEX 1928
東山青少年活動センター
初音館スタジオ
中田楽器



作品概要

人界から遠い山で暮らしていた男が、山を登って来たひとりの女と出逢う。

女に導かれ山を下りた男は、それまで知り得ることの無かった言葉の世界に入っていく

―――

3人の演者と2人の奏者でつづる神話から現代へつながる悲劇


原作より
霞を孕んだ風が、山を抜けた。

萌える新緑の峰々はここ数日、薄絹で包まれたように曇る空との境目を暈している。

長雨の日日を憂いながら、むせる山中を男は今日の獲物を求め歩いている。

奥に目星いものはおらず、男は場所を変えるべく山を下っていた。

ふと視界が明るくなってきた。

雲が切れたのか細い日差しがみるみる溢れ出すと山の木々は煌めき、

仰ぐ男の目に映る若紅葉は、さながら緑青の宝石であった。

この雲流れだと今日はこれから晴れるだろうと、男は軽快に下っていく。

白い珠のような花をはじかせる天女花も

まだその幼い蕾をかたく閉ざしている。

男は一人きりであった。

気づけば、男はこの山で逞しい成人となっていた。

誰に教わることもなく自然に生きる術を学んでいた。

男にとって、この山が全てであった。

朝日が昇ると共に目覚め、飯を食い、山を駆け、獲物を狙い、

また食べて―――そして心地よい疲れと共に眠るのである。

男の現実は、すなわち森羅万象であった。

春には山桜の下で昼寝し、

夏の暑さを逃れて渓へ水浴びへ行き、

紅葉のあとを踏み鳴らして冬支度に励んだ。

そして雪に閉ざされた山で静かに暮らすのである。

移りゆく四季を重ねて流れるように生きてきた男は、一匹の人間であった。

男は言葉を知らない。

本来それを教えるであろう父母の、その存在すら知りはしないのだ。

喜びも悲しみも、淋しさや恋しさも――――

男は、生きるために生きていた。

しかし、男には一つ胸に痞えるものがある。

男を誘う、細い絹糸のような記憶の端。

・・・まだ幼子の男は崖に沿う道で一心に見つめている。

鮮やかな西陽を浴びた、緋に燃える人影・・・

人の姿なのか

炎の姿なのか

その紅の深さの向うには、漆黒の闇が見える。

闇の姿なのか

人の姿なのか

闇は強圧な力で紅をのんでゆく・・・

炎は燃える。

闇はのみこむ。

二つの色は絡み合い、纏い合い、

やがて男の視界から切り取られていった。

瞬時、男は急激な恐怖と執念に襲われ、声を上げて泣き叫んでいた。

自分の五体が引き裂かれる感覚で、視力が失われるようであった。

男は崖下に向かって叫び続けている。

何かを求め、発している・・・

何かを呼んでいる・・・

しかし、男には思い出せない。

涙で何もかもがゆらめいて、緋の陽炎は全てを焼いた。

それから長い年月が過ぎて、その記憶は灰となっていた。

しかしその灰に潜む種火が、時折燻り出すのである。

そうすると心臓が、重く、鈍く脈を打って、息が苦しくなった。

涙が溢れて止まず、男はこの感情を理解できずにいた。

ただ、この時だけは、なぜか一人ではないような不思議な安堵感が男を包むのであった。

この記憶の端だけが、男に心を与えるのであった。

しかし、その端も今では段段に色褪せてきている。

男は日日の暮らしで十分であった。

毎日、生きてゆくこと。

こうして今も、おのれを養う為に獣を追っている。

この摂理に男は疑問を抱いた事はない。

今日も明日も、

過ぎ去った昨日も、

ありのままの男の姿であった。

随分下ってきたらしく、木々の間から山裾に沿うて流れる川の水面が見える。

ちと下りすぎたようだ。

男は踵を返して、来た道を戻ろうとした。

・・・・・。

声がする。

男の後方・・・あの楢の木の向こう側か・・・

女だ・・・女の声だ。

男は声の主を見極めようと、木の向こうを見詰めた。

男は少し距離を詰めた。

同時に、連なる枝が揺れた。

ふわりとした、柔な風が起こった。

黒髪が、風に靡いた。

それは羽衣のように宙に舞った。





原作: 廣瀬 泰子


チラシ
下記ページより、O land Theater 第2回演劇公演『蘇芳』の
チラシをごらんいただけます。
O land Theater (オーランドシアター)『蘇芳 -suou-』チラシ

一部、文字が小さく読みづらい所がございます。
(環境により拡大できない場合があります。)
その部分は上記の『原作より』をお読みください。

2011/09/05

【蘇芳】千秋楽無事終了

雨にも負けず、風にも負けず、
【蘇芳】全公演無事終了致しました!

【蘇芳】に関わった全てのかた、
悪天候の中、劇場にお越し下さったお客様、
誠に、ありがとうございました。

今後とも、O land Theaterを、どうぞよろしくお願い申し上げます。

制作 望月

2011/09/04

【蘇芳】いよいよあと一ステージ!

【蘇芳】ものすごい千秋楽、いよいよ明日!
乞う、御期待!
当日券の発行は12:00からです!
皆々様のお越しを、お待ちしています!!!

2011/09/02

挟み込み

本日16:00より200部アートコンプレックス1928ロビーにて行います。
告知が当日になり、誠に申し訳ございません。
制作 望月

2011/09/01

O land Theater第二回演劇公演【蘇芳】いよいよ明日から

折しも台風12号の上陸が見込まれております中、本日【蘇芳】役者スタッフ一同無事小屋入り致しました。

※アートコンプレックス1928が風にさらわれるか水没しない限り、上演中止や延期はございません。


愛と死、無垢と穢れ、
役者と音、才能のだんじりがごんごんにぶつかり合う、つくりかけの舞台をみてきました。
とても美しかった。美しいということは、こわいことでもあります。

とにかく、【蘇芳】必見です。

もう一回書こう。

【蘇芳】必見です!!!

各回ともまだ残席はございます。日付が変わるまで翌日のご予約の受付を行っております。
皆様のお越しを、【蘇芳】一同、心よりお待ち申し上げております。

制作 望月